雨です。
皆さんのいらっしゃるところも雨ですか?
雨といえば思い出す詩があります。
フランスの詩人ヴェルレーヌの「無言の恋歌 忘れた小曲 その三」です。
何ともいえぬじ〜んとくるものがあります。
巷に雨の降るごとく
わが心にも涙ふる。
かくも心ににじみ入る
このかなしみは何やらん?
やるせなき心のために
おお、雨の歌よ!
やさしき雨の響きは
地上にも屋上にも!
消えも入りなん心の奥に
ゆえなきに雨は涙す。
(略)
ゆえしれぬかなしみぞ
げにこよなくも耐えがたし。
恋もなく恨みもなきに
わが心かくもかなし。
新潮文庫「ヴェルレーヌ詩集」 訳・掘口大學
ただなんとなく、自分の生命をもてあましているような居心地の悪さというか、何かを求めつつ言葉に出してしまうと違和感がなきにしもあらず。
きっと、それは目に見えない心の分野のものであるからなんでしょうね。
でもカタチあるものを求めて止みません。
たとえ何度失敗しても叶わぬ望みだと思おうとも。
愛するにも何するにも、その対象がなけれ何も発生しないですし。
カタチを通じて何かを知ろう体験しようとするのが人間のサガなんでしょうかねぇ。